オーストリアを代表するスキーエリアであるアールベルクスキーエリア。1884年にアールベルク・トンネルが開通、1922年にハンネス・シュナイダーがサンアントンにオーストリア初のスキースクールを設立、アルペンスキー発祥の地として発展してきた歴史があります。2016年にはスチューベンからツールス方面へ「フレクセンバーンゴンドラ」が開通したことにより、それまでサンアントンとレッヒ・ツールス間は分断されていてバスやタクシーでの移動が必要でしたが、スキーで滑って移動できるようになりすごく便利に、そしてすごく楽しいスキー場になりました。アールベルクエリアはトップ標高でも2811mとそれほど高くないものの、地形の関係か積雪量も豊富で標高の低さをあまり感じません。また以前と比べて最近ではコース整備も丁寧になってイタリアと匹敵するくらいのきれいなコースが毎朝できあがっています。
サンアントン
アールベルクエリアの顔というべきサンアントン。2001年の世界選手権開催地としても有名です。大きくカパル、ヴァルーガ、レンドルの3つのエリアがあります。世界選手権のメインコースとして使用されたカパルは、急斜面からちょうどよいクルージング斜面までコースがバランス良くレイアウトされている印象です。1850mのガンペンからサンアントンの街までのコースは南向きということもあり雪不足のシーズンは雪の付きがあまり良くないときもありますが、ここ以外は雪不足のシーズンでも問題ありません。アールベルクエリア最高峰の2811mのヴァルーガ。山頂からは360度のパノラマが楽しめ、晴れた日には遠くにはイタリアのドロミテ山群もはっきりと見えます。ここからスチューベンまでの標高差1400mの滑走はコースも良く、ものすごく満足感があります。サンアントンの街をはさんで反対側のレンドルはここだけ独立しているエルアで北向きがメインの斜面なので雪質がよいことが多いです。オフピステが滑れる斜面も多いので、降雪後の晴れた日にはおすすめのエリアです。
サンクリストフ
標高1800mのサンクリストフはホテル数軒の集落ですが、ベース標高が高いのと各エリアへのアクセスがいいので喧騒から離れた静かな滞在を楽しみたい方にはおすすめです。滞在は3星ながら食事が非常によいGastohof Vallugaがおすすめ。ハウワイスさん家族の温かいおもてなしが心地よいです。またサンクリストフには国立スキー学校であるブンデススキーアカデミーがあります。元はスキー教師育成のための学校ですが、一般にも開放されていて宿泊3食付きのパッケージもあります。英語でのレッスンになりますが、オーストリアテクニックを身につけたい方、英語のレベルアップをスキーと一緒にされたい方など挑戦してみてください。日本からの航空券や移動もセットにしたパッケージの手配もいたします。
スチューベン
ヴァルーガやサンクリストフからアクセスできるスチューベン。ここから2016年に開通したフレクセンバーンゴンドラでツールス方面にアクセスできます。またスチューベン裏手は北斜面が中心のアルボナエリア。リフト3本のみの単純なレイアウトですが、ここはオフピステの宝庫。降雪後はここもおすすめです。またスチューベンからその奥のクレスターレへもバスでアクセスできます。クレスターレも1日充分滑って満足できるエリアです。
ツールス
標高1716mのツールス。隣のレッヒを経由して時計回りに1周するバイスリング(ホワイトリング)の起点となります。ただバイスリングは人気コースで天気が良くなった日には非常に混みますので、天気が数日続いた後に行くのがいいでしょう。バイスリングの他にもツールスから2450mのムーゲングラートまで登って左回りでツールスまで戻ってくるコースは景色も良くいい斜度が続くので気持ち良く滑れます。
レッヒ
世界のスキーリゾートの中でも高級リゾートとして名高いレッヒ。世界で初めてヒーター付きのリフトが架けられたり、オーバーレッヒでは景観重視のために作られた巨大な地下駐車場や物資輸送や移動のための電気自動車用の地下トンネルが張り巡らされていたりと、他のリゾートとは一線を画しています。コース幅も広くコース整備もいいので快適なクルージングが楽しめます。
シュレッケン、ワルス
2013年よりレッヒとゴンドラで繋がって滑れるようになったシュレッケン、ワルスエリア。サンアントンステイでこの2エリアを滑って帰ってくるのは時間的に難しいので、この2エリアを滑るのであればサンアントンからタクシーでレッヒまで行き、シュレッケン、ワルスを午前中に滑りレッヒでランチ、午後にゆっくりサンアントンまで滑って戻る、あるいは午後はレッヒを滑り込んで帰りもタクシーにするのもいいと思います。サンアントンですでに滞在されたことがあれば、レッヒ滞在にしてみるのもおすすめです。
サンアントンのスキーミュージアム
サンアントンの街の少し高台にスキーミュージアムがあります。さすがアルペンスキー発祥の地だけあって展示物のラインナップも豊富でスキー用具の変遷を見ているだけでも楽しめます。また戦前に作られたスキームービーも上映されていますが、ちゃんとストーリーもあっておもしろいので必見です。ミュージアムの1階はレストランになっていて、ランチでも利用できます。スキーのコースからもアクセスできるので、ランチがてらにミュージアムを訪問するのもいいでしょう。
スキー場インフォメーション
コース総延長 | 305km |
---|---|
リフト・ゴンドラ数 | 87基 |
最大標高差 | 1400m |
リフトパス | 6日間アダルト300ユーロ、シニア65〜74歳259ユーロ、 75歳以上147ユーロ(シーズンパス) (2019/2020シーズン) |
アクセス | チューリッヒ空港から200km、約2.5時間 ミュンヘン空港から300km、約3時間 マップで見る |
景色 | |
規模 | |
スキー場の面白さ | |
オフピステ度 | |
街の充実度 |